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トップインタビュー 三重の産業と経済

中日新聞 2006年6月5日

フルカワ商店 古川誠彦社長(42)

 四日市コンビナートは近年、衰退傾向にあり、関係する企業にも影を落としている。機械工具などを扱う一九三九(昭和十四)年創業の商社「フルカワ商店」(四日市市中部)もその影響を受けたが、自然や環境に着目した事業拡大で活路を開いた。古川誠彦社長(42)に生き残り策について聞いた。(榊原崇仁)

 −四日市コンビナートとのかかわりは。
 「コンビナート企業向けのタンクやパイプを製造する鉄工所などに、鉄鋼加工用の切削砥石(といし)を納入している。昭和三十年代のコンビナート稼働時からですね。転機は一九九〇年ごろ。石油化学製品の製造拠点が人件費の安い海外に移り始めた。コンビナートに陰りが見え、私たち関連業者への受注は減った。九一年の社長就任以降、タンクやパイプなどコンビナートに置く機械工具の卸売りもしたが、四日市、桑名、鈴鹿に七十の同業者があり、差別化には価格勝負に出るしかなかった。しかしリスクが高かったため、十年ほど前から、この業界以外でも事業を始めた」
 −その生き残り策は。
 「最初に目を付けたのは自然食品の天然塩。ちょうど塩の専売制が廃止されたころ。老若男女に受け入れられ、利幅も機械工具より大きかったから。沖縄から仕入れて全国のスーパーなどに卸すようになった。ただ商品の仲介となると、もうけに限界がある。より利益を上げるには、自社製品を開発する『メーカー展開』が必要だった。」
 −自社製品の柱は。
 「メーカー展開を考えた結果、行き着いた先は環境産業。知人から『道路にできたすき間から草が生え、管理者の国や自治体の駆除費用がかさんでいる』と聞き、雑草の成長を抑える帯状のシートを貼り付ける『ボブロ工法』を開発した。シートは、アスファルトを染み込ませた不織布とポリエステルのテープの二層構造で、幅十五センチ、厚さ二.八ミリ。長さは調節可能。製造は土木資材メーカーに委託した。種子が入り込むのを防ぐほか、光や水を遮り、発芽も抑える。国や自治体相手に昨年から本格的に販売を始め、八県三十三カ所で使用されている。現在も機械工具や天然塩は扱うが、総売り上げの三割、利益の五割はこの工法。昨年の今ごろは経営が閉塞(へいそく)していたのがうそのように立ち直った」
 −踏ん張れた源は。
 「根気ですね。新しい事業を始めるには、バイタリティーがいる。得意先の開拓でも、相手にされないことがほとんど。でも何かしなければ会社はつぶれる。窮地でこそ強い心が欠かせない」




東海トピックス 四日市支店発

中部版 TEIKOKU NEWS 2006/05/17(水)

株式会社フルカワ商店
(TDB企業コード 46-001556-1)

環境保全・美観・コスト削減に貢献

 歩道舗装のすき間や車道の境界ブロックに生える雑草は、周辺の美観を損ねるとともに、アスファルトを痛める。また歩行者の障害になったり、高く生い茂った雑草が子供の姿を隠すなど、交通安全面においても危険度が増幅される。定期的に除草工事を施す必要があるため、公共工事予算の削減を迫られている自治体にとって、悩みの種の一つであることは間違いない。

ボブロ工法を開発
 (株)フルカワ商店では、歩道や車道に生える雑草の育成を防ぐ『ボブロ工法』を開発し、ここ2・3年で試験も含めて公道での施工実績を重ねる中、歩道や車道の雑草を完全にシャットアウトするという効果が認められ、関係筋で注目を集めている。同工法は、雑草が生育しやすい歩道と縁石ブロックなどの界面すき間にアスファルト質のボブロシートとスパンボンド製の芽止めテープを貼り付けることにより雑草の生育を防止するというものである。芽止めテープにより発芽貫通を防止するとともに、ボブロシートによる遮光作用で二重対抗し、雑草の生育に欠かせない水と光を遮断することにより、発芽の伸長を防ぎ、除草剤や抜根も不要となる。なお、自社開発した貼り付け方法について特許を申請している。
 従来の除草のように薬剤は一切使用しないので、環境や人体への影響はなく、コスト面においてもシートを敷くだけなので低コストの施工が可能となり、耐久力に関しては、施工がしっかりしていれば10年は効果が持続するとみており、その間はメンテナンスフリーであることから、経費削減にも効果が期待できるとしている。

施工実績の拡大
 2001年3月に国土交通省が国道23号線に施工して以来、全国で4万1,000メートル以上の施工実績をあげている。特にここ1・2年の間に全国の自治体や道路工事業者、道路管理業者などから問い合わせが増えている中、地区代理店を募集しており、今後の販路拡大が期待されている。

(取材・文/四日市支店調査課 佐藤 嘉晃)




シート工法の「ボブロ工法」を拡販

平成18年5月7日 名古屋機工新聞

フルカワ商店 雑草をシャットアウト

産業機械商社のフルカワ商店(四日市市中部14−9 TEL059−351−1525、社長=古川誠彦氏)は、歩道などでアスファルトとブロックの隙間から生える雑草をシャットアウトするシート工法の「ボブロ工法」の拡販に力を入れている。
 アスファルトを含浸した不織布を隙間の上部に張り、雑草の発生を防止するもので、「一度張れば数年間は除草作業の必要がなく、コストが削減できる」と、古川社長はメリットを強調している。
 歩道のアスファルトとコンクリートブロックの境界面は、自動車の振動などで、隙間ができやすく、雑草の温床となるケースが多い。そこで、同社が目を付けたのが、舗装工事に利用されているアスファルト含浸シート。
 ただ、これを張るだけでは雑草の防止に効果が得られないため、新しく開発した「ボブロ工法」では、まず始めに、(1)除草し丁寧に清掃をした上、(2)界面隙間の上にプライマーを塗り、次に(3)芽止めテープを貼り、次いで(4)ボブロシートの裏面をガスバーナーで炙り、強く確実に圧着させる。これで施工は完成する。
 同工法は、ボブロシートと芽止めテープの二層で構成され、光と水の完全遮断、発芽貫通防止、隙間の拡大変動の許容など優れた効果がある。
 シートは厚さ三ミリで、熱を加えて装着するが、全体ではなく両端のみを接着するため、振動などでシートが引き裂かれることはない。
 施工費は一メートルあたり千二百円から二千円程度。
 これまでに自動車専用道路や国道など数十件の実績がある。
 古川社長は「既設、新設道路を問わず、中央分離帯や駐車場への導入のメリットは大きい」としている。



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